
古代の日本人にとって、夢はとても重要なものでした。現代に生きる私たちでさえ、夢の吉凶を気にするのですから、昔の人にとって夢は、国を動かすおおいなる暗示でした。今回は、妹の夢を買って天下人に添い遂げた女性のお話です。
妹の吉夢を買った北条政子
鎌倉幕府を築いた源頼朝の妻、北条政子。彼女が頼朝の妻になったのは、妹の見た夢を買ったからだといわれています。
政子の妹、保子は、ある晩夢を見ました。その夢とは、高い山の上に登り、橘の枝をかざして太陽と月の両方を自分の手に入れるという夢でした。
それを聞いた政子は、「それはとんでもない凶夢だから、私が買い取って処理してあげます」といい、保子に代金として小袖を渡し、その夢を買いました。
しかしその夢は凶夢ではなく、すばらしい吉夢だったのです。それを知っていた政子は、きっと天下を取るような男と結婚する夢に違いないと思い、妹の吉夢を自分のものにするために、妹に嘘をつき、買い取ったのでした。
その後、頼朝と恋に落ちた政子は、生涯頼朝を支え、頼朝の死後も尼将軍としておおいに活躍していったのでした。
頼朝は最初、妹の保子の方に気があったという話もあり、政子の夢の買収柵は、見事に成功したということになります。




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